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日本ウミガメ会議

11月26日~28日の日程にて、愛知県田原市で第21回日本ウミガメ会議が開催された。
カメハメハ王国からは、9名の参加があり、過去最高人数を記録している。
ウミガメ会議と言うと、実にマニアックな感じがするのだが、結構真面目にやっているのである。
もともと、20年前に、カメをやっている人たちが集まって、たまには酒を飲みながら情報交換でもしようと始められたもので、カメハメハ王国としては第9回屋久島会議から参加している。
集まっている人たちは、学生・研究者・水族館・保護ボランティア・元海保・・等、年齢、職種、性比もさまざま。
昔の夜の懇親会は、学生達が一気飲みをしたりして、騒いだものだったが、最近は、何かスマートになったような気がしてならない。
それだけウミガメというものが、メジャーになってきたからかもしれない。
メジャーになると、色々な問題が噴出してくるもの。それは、ウミガメ自体の問題ではなく、ウミガメを取り巻く人たち同士の問題である。
今回は、遠州灘で色々と起こっている諸問題について、シンポジウムが行われた。
その問題とは、大きく分けて 卵の移植と放流会についてである。

卵の移植の問題とは、ウミガメの卵の移植というものは、自然状態で孵化率が下がるとか、波にさらわれるとか、自然状態より、移植した方があきらかに子ガメの個体数増加に寄与する場合のみ移植すべきであって、なるべく野生生物には手を触れないという原則をどこまで追求できるかというもの。
人が良かれと思って移植しても、その時点での知見の不十分さが、絶滅の片棒を担ぐかもしれないという事実に対する認識である。
孵化場を作ったからといてって、片っ端から卵を移植してもよいかという疑問である。

次に放流会の問題。
これは、子供達の情操教育の為、各地でしばしば行われている事ではあるが、その事とウミガメの生存率の関係である。
まず、放流会を行う為には、最近では夕刻行われる事が多いが、通常の巣穴からの脱出は、夜間である。それを放流会に使う為には、10時間から20時間程度、保管しなければならないが、子ガメの巣穴脱出後の非常に活性の高い時期(フレンジーと言う)は、24時間と言われ、通常なら夜間になるべく岸から離れ、鳥等の捕食者からみを守るべき時間を待たされる事の問題。
また、放流会は定点で定時に行われる事による弊害。
色々な場所(場所の多様性)、と色々な時間(時間の多様性)を維持できない場合、海中の捕食者(例えばサメなど)の餌付けと同じような形になってしまうリスクである。
確かに、放流会等による子供達への情操教育は、それはそれで意味はあるのだが、ウミガメの生存率の事を考えたらすべきではない。

それが、恒常的に行われてはならないのは明白な事実である事から、ウミガメ協議会役員間でも議論はあったものの、そろそろこのウミガメ協議会という組織も会議を20年を重ねるなかで、社会的使命というものも、負担しなければならないという考えから、あえて、この2つの問題について、議論の場が設けられた。

しかし、当事者の浜松市の保護団体、行政側の豊橋市、静岡県環境部は、参加して、議論する事を拒否したのである。やはり、問題を解決するためには、議論をしないと実態が解らないのである。

まあ、こんな事をして、少しずつでも事が進展してゆけば良いのであるが・・・

ウミガメ協議会の理事会の様子だ。

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結構真面目な会議である。参加者は300人程度。

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カメハメハ王国からの参加者が亀崎会長を囲んで・・

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懇親パーティーの様子
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招待講演者の米国チャールストン大、デビット・オーウェン教授と
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米国西部太平洋区漁業管理評議会の石崎氏による米国のウミガメ保全の状況報告
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皆さん、お疲れです!
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